2018年01月04日

道央旅行記 その6

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北海道旅行のお話を致します。

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新十津川駅で熱烈な歓迎を受けた私は徒歩で新十津川町役場へと向かいます。何故役場なのかと申しますと、実はここからちょうどいい接続時間で函館本線の滝川駅に向かうバスが出ているのです。

基本的に考えることは皆同じのようで、折り返し便の列車に乗車しなかった方はほぼ全員このバスに乗車すべく移動してきたようでした。しかし乗ってしまえば距離は短く、ものの10分で滝川駅に到着しました。

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滝川駅からは当駅が起点である根室本線に乗車します。「根室」と冠しておきながら起点が道央の滝川というのはなかなか面白いですが、ここからは別途特急券を購入して臨時列車に乗車します。

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これが今回乗車する臨時特急「フラノラベンダーエクスプレス」号。車両は主に団体臨時列車などで使用される特別なものを用い、編成の中程に連結するラウンジカーでは車内販売を実施するまさに行楽列車を絵に描いたような列車です。早速乗車しますと車内はハイデッカー構造となっており、大きな窓から眺める景色は迫力があります。また座席も座り心地が良い大型のものが採用されており、1時間弱の乗車時間が極めて短く感じられる素晴らしい車両でした。

折角乗車したのだからと私はラウンジカーの車内販売ブースへと足を運びました。見渡せば飲料や菓子、土産物などが整然と立ち並びますが、中には私のような旅人が真っ先に目を付けるであろう限定品の数々も存在していました。

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まずはこちらの夕張メロンソーダ(写真左側)。目的地が富良野なのに夕張メロンとはこれ如何に、といった具合ですが、市販のメロンソーダとは違い味の複雑な階層を感じる上品な味わいでした。ただお値段が少々張りますので乗車記念に一杯、という召し上がり方がよろしいかと存じます。

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もう一つはこのラベンダーアイスクリーム(写真右側)。これは紛うことなき富良野ならではの一品ですが、写真が少々小さくなってしまい分かりづらくなってしまったのが申し訳ないです。しかし味わいは期待を裏切らず、口の中にラベンダーの香りが広がるかのような芳醇さが魅力ですので、先程のメロンソーダと併せて召し上がっていただき、皆様の旅行を楽しく華やかなものにしていただければ幸いです。

今回は少々短いですがここまでに致します。次回もよろしくお願いいたします。



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2017年12月01日

道央旅行記 その5

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北海道旅行のお話を致します。

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前回取り上げた石狩月形駅を発車した札沼線の単行列車はここからいよいよ真の閑散区間へと進んでまいります。車窓に広がるのは変わらず広大な農地や並行する国道ばかりですが、ここから先ほぼ満席の車内の空気がほとんど入れ替わらなくなりました。つまり下車するために腰を上げる乗客がほぼ皆無ということであり、改めてこの路線が日常の移動手段として認識されていないことを思い知る結果となりました。

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この浦臼(うらうす)駅は分岐する線路もない所謂「棒線駅」ですが、そんな乏しい施設でも起終点とする列車が存在しています。一般的に列車の起終点となるためには最低でも2本の線路が存在していなければ折り返しの準備時間に接近してきた列車を停車させることができません。1本の線路しか存在しない駅で長時間停車するということは道路で例えるなら一方通行の細い道に駐車するようなものです。この列車の終点・新十津川駅のように線路の果てが車止めで封鎖されているなら話は別ですが、途中駅でこのような運用がこなせるという事実もまたそれだけ列車本数が少ないことを象徴しているといえます。

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車窓に流れるもの、車内の雰囲気、どれをとっても悲しい現実しか反映してくれませんが、この路線の行く末に思いを馳せやや悲観的な私の感情とは裏腹に列車はほぼ直線に延びた線路を規則正しいジョイント音と共に踏みしめていきます。そして石狩月形駅から50分弱程走った先にこの列車の終着駅である新十津川駅が見え、札幌駅を出てから2時間半にわたる札沼線の旅は終わりを告げました。

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列車が到着するや否やしきりにシャッターを切る「同業者たち」。しかしこの場を支配していたのは鉄道ファンだけではありませんでした。近隣の幼稚園生と見受けられる子供たちが我々旅人を出迎えてくれたのです。もちろんそうした歓迎は予期しておりませんでしたが、本数の上では最早見捨てられたも同然の小駅が一瞬とはいえ大勢の人間で賑わう姿に、ほんの一筋だけですがこの路線の未来に光明を見た気がしました。まだこの路線は朽ち果ててはいない…こうして行く末を案じ行動に移す人々が存在し続ける限り、列車は何度でも彼らの前に姿を現すことだろう…。ならばその火が消えないうちに再度の訪問を果たしたい、そう心に誓って私は駅を去りました。

今回はここまでです。次回もよろしくお願いいたします。


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2017年11月12日

道央旅行記 その4

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北海道旅行のお話を致します。

諸事情により前回の投稿からかなりお時間を頂戴してしまいました。しかし変わらず熱意を持って取り組んでまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします。

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北海道医療大学駅から30分、列車は札沼線非電化区間の数少ない有人駅である石狩月形(いしかりつきがた)駅に到着します。この駅では列車が長時間停車するため、前回申し上げた「イベント」の数々を楽しむことができます。


まずは列車を降りて駅舎内の窓口へ。ここでは他とは違う面白いきっぷを買うことができます。

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それがこちらの赤いきっぷです。通常みどりの窓口で購入できるきっぷは青地のきっぷであり、それはJR各社の紋章の違いはあれど基本的には変わりません。しかしここで販売されているきっぷは赤字です。これは主にきっぷの発行手段が関係しております。

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通常の青地のきっぷは発券用の機械で印刷を行い、また自動改札などで情報を読み込む必要がございますため券自体が磁気を帯びた「磁気券」となっております。これはきっぷをめくった際裏側が一面黒色であることからも分かります。この磁気がきっぷにとって何よりも重要です。特に大都市圏などでは発券経路は無限に存在するため、自動改札では膨大な情報を内包できる磁気券でなければ対応することができません。そのため駅で手に入るきっぷは通常青地の磁気券にならざるを得ないということです。


一方の赤地の券は磁気を帯びておらず、裏面も地の紙の色がそのまま表れた白色です。これはこのきっぷが予め印刷されており、また発券区間も近距離(一部は東京都区内などの大都市圏まで)の決まった駅だけに指定されているためです。このような特徴を備えているため、別名「常備券」とも呼ばれております。発売駅はかなり限られておりますが、好事家の手によってインターネット上で情報交換がなされていることもございますので、そちらを調べていただくとより詳しい情報が入手できるかと存じます。

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窓口できっぷを購入した私は再度ホームへと戻ります。私の乗ってきた新十津川行きの列車は依然として停車中ですが、この後来る対向列車との交換時に再びイベントが待ち受けております。

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それが上の写真に見える円形の金具を列車から列車へと引き継ぐ「スタフ受け渡し」でございます。これはスタフ閉塞と呼ばれ、ある区間に通票と呼ばれる通行証を持った列車のみを通行させることで信号機を設けずに列車の管理を行う方式にて用います。この通票にもいくつか形式が存在し、この札沼線ではスタフと呼ばれる形式を採用しております。

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この通票を用いた閉塞形式は希少とされており、それ故に石狩月形駅ではただ列車が行き違うだけのイベントに多くのファンが注目しますが、その希少性を作り出した原因の一つに挙げられるのがその非効率性です。安全管理の要となる通票は原則として1区間に1つしか用いられないため、通票を所持した列車が到着するまで対向列車は発車できません。そのため遅延が拡大する確率が極めて高く、また運転本数も相当限られます。この条件では大多数の鉄道路線は運行が成り立たず、逆にこれで問題ないほどの路線では採算が取れない可能性が高くなります。つまり本数と需要のバランスが相当繊細なバランスで成り立つ路線でしか存続できない、そんな難しい気性を持ち合わせているシステムなのです。

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この札沼線も路線の存続が危うい状態が長く続いており、この石狩月形駅の見どころもいつ過去のものとなるか分かりません。このような希少価値の高い列車や設備のお話は過去幾度となく取り上げてまいりましたが、この札沼線にまつわるお話は特に緊急性が高いものであると考えています。少しばかり早起きが必要となりますが、得られる体験は三文以上の価値がありますので、皆様も是非足を延ばしてみてはいかがでしょうか。


今回はここまでです。次回もよろしくお願いいたします。


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