2017年03月18日

初めての北陸旅行記 その23

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北陸旅行のお話をしていきたいと思います。


糸魚川駅を通過するだけで随分とお話が長くなってしまいましたが、列車はいよいよ難所・親不知、そして富山県へと入ってまいります。親不知は鉄道や幹線道路といった交通網が発達した現在も難所であり続けており、親不知駅周辺では北陸自動車道は海上高架、国道8号線の高架もほとんど海上に敷設されております。北陸新幹線は内陸部を通るため、ここではその姿を見ることはできませんが、この車窓だけでもその険しさはご理解いただけることと存じます。


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次の市振(いちぶり)駅を通過すると、すぐに富山県へと入ります。車窓からも日本海が消え始めると、泊(とまり)駅通過です。この泊駅は、現在の北陸本線から移管された第三セクター3社の列車運行の拠点地となっており、直江津方面からの列車と富山・金沢方面からの列車が出会います。


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またこの駅は富山県の平野部の終端でもあるということで、終着駅という雰囲気の強い駅といえるのではないでしょうか。当時の「はくたか」は全列車が通過しておりましたので関東圏の利用者にはあまり知られていない駅かもしれませんが、私はこの駅の雰囲気を大変気に入っております。特に夏場の夕暮れ時に見られる光景は哀愁と旅情を誘いますが、時期を問わず素晴らしいことに変わりはありません。


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泊駅通過からさほど間を置かず、列車は魚津(うおづ)駅へと到着します。ここは北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅開業までは宇奈月温泉方面への乗換駅でしたが、開業後はあいの風とやま鉄道の普通列車が停車するのみとなってしまったため、当駅は補佐的な役割に徹することとなりました。


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専門的な要素に目を向けますと「はくたか」は1往復を除いて全て停車したほか、1往復のみですが「サンダーバード」が発着していたことが目を引きます。そしてこの「サンダーバード」は近年唯一の当駅始発・終着列車でございました。現在でも普通列車は隣の黒部駅を発着し、富山近郊圏をしっかりとカバーしているようです。


魚津駅から富山駅までは普通列車でも20分前後で移動できるため、俊足で途中停車駅もないこの列車はあっという間に到達してしまいます。富山駅手前の東富山駅を通過し、左手に車両基地が見えてくれば、到着放送も聞こえてくる頃合いです。到着は3番のりば、ドアが開くと同時に人波がドアから吐き出されます。以前も申し上げましたように、この「はくたか」が運行開始したことで最も恩恵を受けたのは富山県内の利用者でございます故、この富山駅で降車する利用者は相当数に上りました。私もその人波に交じり、富山駅に降り立ちます。


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これによって、ブログ開設から約1年近く経過してようやく、タイトルにある本来の意味での「北陸」の駅に降り立つことが出来ました。といってもあまり北陸を実感せずに帰りの「はくたか」に乗車することとなってしまうのですが、そのあたりのお話はまた次回以降に持ち越しとさせていただきます。


今回はここまでです。次回もよろしくお願いいたします。


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posted by yg at 20:47 | Comment(1) | 日記

2017年03月10日

初めての北陸旅行記 その22

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北陸旅行のお話をしていきたいと思います。


前回は旧北陸本線の新潟県区間に点在する魅力をお伝えいたしました。今回は直江津駅と並ぶ新潟県区間の要衝である糸魚川駅の魅力をご紹介いたします。


直江津駅を発車して新線切り替え区間を走ってきた「はくたか」は、糸魚川駅通過の直前でひっそりとイベントを迎えます。それは「デットセクション」でございます。簡潔にご説明いたしますと、高頻度運行向けの直流1500V(以下「直流電化」)という電化方式を高速走行向けの交流20000V・60Hz(以下「交流60Hz」)に切り替える地点ということですが、ここで重要なのは電圧や周波数の細かな数値ではなく、「電化方式が変わると使える車両が変わる」ということと「車両によっては車内から地点通過がはっきりと分かる」ということ、この2点でございます。


まず車両が変わるというのは、受け取る電流が変われば対応する機器も変わるため、ある意味当然のことではございますが、これによってその地域の特徴が色濃く表現されます。例えば私の地元柳井市を走る山陽本線は直流電化ですので、下にあるように黄色一色の115系電車が用いられます。しかし、100kmほど西に向かい九州に目を向けると、福岡・北九州都市圏に入り、加えて交流60Hz区間に入りますため、JR化後に作られた811系電車をはじめとする多彩な電車群が見られます。実はJR時代に入ると、各地の車両の違いは単に電化方式の違いだけではなくなってきました。その要因は気候、採算、会社方針…と、挙げていけばキリがありませんが、そのおかげで私たちは電車を見るだけで地域の違いを実感することが出来ます。


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もう一つ、車内からでも地点通過が分かるというのは、結論から言えば極めて単純な話でございます。これは国鉄時代に製造された交直両用電車が「デットセクション」を通過する際一時的に電力の供給が途絶えるため、冷暖房はもちろん停止し、車内灯も補助灯以外は全て消灯することで私たち乗客も車内から通過していることが分かるというだけのことです。しかし確実に目撃することは意外に難しく、山陽本線の下関〜門司間や七尾線の津幡(つばた)〜中津幡間(普通列車のみ)以外で確実に目撃することは困難といえます。逆に言えば、これが体験できることそのものが、現在では数少ない国鉄時代の遺構ということです。


ちなみに、「はくたか」に用いられている681系電車はもちろんJR化後に作られた電車でございますため、車内灯が消えてしまうようなことはございません。そのため車内からは大きな変化を感じ取ることは難しく、静かに糸魚川駅を通過していきます。


糸魚川駅といえば、当地を走っていた大糸(おおいと)線のキハ52型気動車と、その根城であったレンガ倉庫のカットモデル(車両後方)が保存されていることで有名です。このカットモデルとは、北陸新幹線建設の際に完全に取り壊される予定であったレンガ倉庫を、正面だけ切り取って移設させたことで誕生しました。もちろん私は健在であった時期に訪問したことはございませんが、蒸気機関車が運用されていた頃のススが内側にこびりついていたとされ、鉄道ファンのみならず地元住民にも糸魚川の象徴として認識されていたようです。完全移設には億単位の資金が必要となるため、カットモデルで妥協点を見出したと言えますが、当時の歴史を少しでも垣間見られる点は、私のような若輩者には大変ありがたいことでございます。


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そして大糸線のもう一つの遺構が、キハ52型気動車です。言うまでもなく国鉄時代に生産された車両ですが、この形式はJRとしては大糸線が最後の運用線区であったことで、当地がこの形式の代名詞となりました(JR以外では現在も千葉県のいすみ鉄道で運用中)。普段は駅舎の中で展示されていますが、イベント時には野外にて展示されます。また車内見学も可能でございますが、運用離脱当時の内装がほぼそのままに残されているため、今でも走行可能であるかのように錯覚してしまいます。こちらも私のような若輩者には大変ありがたい保存状態でございます。


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なお、インターネット上には、現役時代に撮影された写真が多数掲載されております。よろしければそちらもご覧いただき、これを機に大糸線そのものにも興味を示していただければと存じます。関東圏からであれば中央本線の特急「あずさ」の千葉駅始発の列車が途中の南小谷(みなみおたり)駅まで直通しております故、そこから乗り継いで糸魚川駅まで完乗していただくのが好適でございます。もしくは北陸新幹線の「はくたか」でも良いかもしれません。かくいう私は糸魚川駅から南小谷駅までを往復乗車するにとどまっておりますが、ご乗車していただくだけの価値は保証できます。


今回はここまでです。次回もよろしくお願いいたします。

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posted by yg at 09:35 | Comment(3) | 日記

2017年02月25日

初めての北陸旅行記 その21

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北陸旅行のお話をしていきたいと思います。


前回は直江津駅まで到達し、そこで出会った車両と列車についてご説明いたしました。今回は北陸本線の新潟県区間の風景をご紹介いたします。



この区間に居並ぶ駅は無人駅が大多数を占めており、直江津寄りから順に谷浜駅、有間川(ありまがわ)駅、名立(なだち)駅と通過していきますが、これら全てが無人駅です。無論「はくたか」のような特急列車は見向きもしませんが、この区間にも見どころは多数存在しております。


例えばこの有間川駅などは、すぐそばを国道が通っているものの、駅から見える一面の海を一人静かに堪能できる素晴らしい駅です。糸魚川方面ホームの背後にある小道からの眺望も素晴らしく、私は訪問した際に気に入った角度を模索しては何度も何度もシャッターを切っておりました。


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また駅の背後に山が迫る立地が特徴の浦本駅は、北陸本線の旧線跡を利用した自転車道が駅前を通っており、ここでも日本海の眺望や磯の香りを楽しむことができます。人気のない駅ばかりですが、その分空間を独占できるということはある意味贅沢なことです。以前も同じようなことを申し上げたような気がしますが、山に囲まれたほくほく線とは違った魅力がこの区間にはあふれております。


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そしてこの区間で最も特異な駅といえば、先程登場した頚城トンネル内に所在する筒石(つついし)駅です。こちらは北陸本線糸魚川〜直江津間が複線電化された際の新線切り替え時に地上から移設された駅でございます。


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この新線切り替えには当該区間の地滑りが多い地質が大きく影響していたとされ、この頚城トンネルも、建設された最大の目的は危険な沿岸部を避け山間部を直線で抜けることにあります。しかし利用者は当時よりそこまで多いとはいえず、利用状況だけを見れば無人駅であってもおかしくはないのですが、トンネル内という特殊な環境故に常時駅員が配置されています。えちごトキめき鉄道に移管された現在でもそれは変わらず、列車が到着するたびに地上にある駅舎から駅員様がホームまで降りていらっしゃいます。


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前述の駅の例に漏れず、もちろん「はくたか」は停車いたしません。しかしそれ以上に個性が強烈でしたので、ファンの中では相当知名度が高かったようです。JR時代は先日発売を終了した「赤い青春18きっぷ」(通称「赤券」)発売駅としても有名でした。関東圏から最も近接し、また入場券を購入すれば併せて「入坑証」も手に入ったということで、発売時期にはファンが多く訪れたと聞き及んでおります。なお、「入坑証」は移管された現在でも入手可能でございます。私も昨年(2016年)末、廃止が決定した「糸魚川快速」を撮影するべく訪問した際入場券と共に頂きました。さらに先達の皆様方が仰っておりますように、駅員様のご対応も大変丁寧でございます。皆様も是非訪問なさってみてはいかがでしょうか。


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今回はここまでです。次回もよろしくお願いいたします。

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posted by yg at 11:17 | Comment(0) | 日記