2016年07月31日

初めての北陸旅行記 その10

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北陸旅行のお話をしていきたいと思います。


前回に上越新幹線で長岡駅に到着致しましたが、ここからは直江津駅まで特急「北越」で移動します。


長岡駅の新幹線乗り換え改札を出て、ホームに降りた私を出迎えてくれたのは、人ごみに揉まれた上、熱気で汗をにじませた中央線の車内や、適度に温められた車内が心地よい眠気を誘う「MAXとき」でのひとときとも程遠い、凍てつくような雪国特有の冷気でした。雪ではなく小雨がぱらつく空模様でしたが、それがまた余計に刺すような冷たさ、寒さを運んできます。



10分程ホームで待った後、今回乗車する「北越」4号金沢行きが入線。長岡駅から乗車する人は私以外にもたくさんおり、その多くはビジネスマンと見受けられます。このビジネス需要に支えられてか、平日の昼間といえどもある程度の乗車率は確保しているようでした。



使用されていたのは以前も申し上げたように485系特急型電車です。写真のようなリニューアル工事を施した3000番台のほか、昔ながらのクリーム地にあずき色の帯という「国鉄色」の車両でも運転されたことがありました。


IMG_4382.JPG


上の写真は2016年6月に行われた山形駅での485系国鉄色のラストランの様子です。2015年の廃止までは、この「原色」485系が運用についておりました。



さて、「北越」は長岡駅を出ると速度を上げ、日本の名だたる大動脈の一つである「日本海縦貫線」を構成する信越本線を疾走します。「日本海縦貫線」とは、関西地区から青森県、場合によっては北海道にまで至る、日本海沿いを通る各路線の総称です。一般には大阪駅から東海道本線・湖西線・北陸本線・信越本線・(白新線・)羽越本線・奥羽本線を経由して青森駅に至るルートを指しますが、このように文面だけでお示ししても全くイメージが湧かないことと存じます。よって下に久方ぶりに図をお示し致します。

日本海縦貫線略図.jpg




ご覧のように、「日本海縦貫線」は大阪・京都を起点とし、途中金沢・新潟・秋田などの日本海側の主要都市を経由して青森に至るという、日本海側の大動脈としての大きな役割を担っています。そして国鉄時代より、関西と北陸・新潟・東北、そして海を越えた先の北海道の間を行き交う人々のために多種多様な列車が運行されてきました。代表的なものとしては、かつて日本最長距離を走る昼行特急として名を馳せた特急「白鳥」、全く同じ区間を夜行列車として駆け抜けた寝台特急「日本海」、そして北海道まで含めた「日本海縦貫線」の全区間を走破した「トワイライトエクスプレス」などが挙げられますが、どの列車も歴史と人気を兼ね備えたいわば「花形」であり、「北越」が走るこの信越本線も、そうした国鉄・JRの看板列車達がその雄姿を惜しげもなく披露した夢の舞台でございました。


今回はここまでです。次回もよろしくお願い致します。

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2016年07月10日

初めての北陸旅行記 その9

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北陸旅行のお話をしていきたいと思います。


まずは前回の答え合わせから始めさせていただきます。



答えは「水」でございます。中山トンネルには、掘り進めて行く途中でどうしても異常出水が止まらなかった場所がございました。懸命に止水の施工をしても、全く止まりません。やむなく、開業予定日も近づいていたこともあり、その場を放棄し、急カーブで迂回することで、事態の解決を図りました。その結果、中山トンネル内には、160km/h制限を全列車に強いることとなったのです。



ちなみに、その異常出水の際の湧水は、ミネラルウォーターとして販売されている模様です。商品名は「From AQUA」といい、JR東日本管轄駅の自動販売機やKIOSKなどで販売されております。この水の産地は谷川岳であり、間違いなく日本有数の名水です。「興味深い」とお考えの方は最寄りのJR東日本管轄駅の売店にてお買い求めいただき、ご賞味なさってみてはいかがでしょうか。



そして、中山トンネルを抜けてしばらく走ると、上毛高原駅に到着します。ここは接続路線もなく、山の中に存在している駅ですが、この駅のもうひとつの顔は保線基地です。この駅がなければ、毎日安全に走行することもままなりません。一見利用者が少なく、存在感が希薄ではないかと疑問を抱いてしまうようなこの駅も、上越新幹線の大事なピースのひとつなのです。



上毛高原駅を出ると、またトンネルが続きます。ですが、次の越後湯沢駅では、「お約束」なイベントが待ち構えています。上毛高原駅は群馬県に位置していますが、次の越後湯沢駅から先はいよいよ豪雪地帯の新潟県に入ります。つまり旧上越国境を越えるということで、「シェルター」とトンネルの長い暗闇を抜けた先には、突如として銀世界が広がります。「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という川端康成氏の小説「雪国」の冒頭部の通りの光景に、私は驚嘆の声をあげました。こればかりは、写真よりも実際に体験されたほうがよいかと存じます。



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この越後湯沢駅周辺には、スキー場がいくつもあり、ここで降りた大勢の巨大な荷を抱えた人々が、冬季のこの地域の活気を象徴しているようでした。私のように、温暖な気候の地方で育った人間は、自分の背丈を超えるような積雪やスノーボードというものを見ると、どうしても物珍しさに興奮を抑えられません(ちなみに上の写真は越後湯沢駅です。)。




いつの間にか越後湯沢駅で「MAXたにがわ」を解結し、8両編成で新潟駅へと向かいます。ここからは浦佐駅、長岡駅と続きますが、またもやトンネルと「シェルター」の連続なので、あまり書くことはありません(笑)。浦佐駅前後は「シェルター」もなく、盆地となっておりますが、やはり一面雪景色で、日本海側に来たことを実感させます。浦佐駅を通過すると、15分程して、新潟県第2の都市・長岡市の中心駅である長岡駅に着きます。私はここで降り、E4系「MAXとき」を見送りました(下の写真は同じく越後湯沢駅です。E4系同様上越新幹線で活躍するE2系が写っています。)。



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今回はここまでです。次回は、今回の旅の目的の一つでもある特急「北越」に乗り、直江津駅に向かうお話を致します。次回もよろしくお願い致します。

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2016年07月04日

初めての北陸旅行記 その8

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北陸旅行のお話をしていきたいと思います。


前回まではE4系「MAX」のお話をして参りましたが、今回からは再び旅のお話に戻したいと思います。



高崎駅を出ると、だんだんと豪雪地帯の足音が近づいてきます。上越新幹線開業前の特急列車や急行列車は、高崎駅以北の旧上越国境付近での豪雪に散々苦しめられてきましたが、上越新幹線の高崎以北では、ある特殊装備のおかげで列車は難なく走ってゆきます。その特殊装備とは、トンネルとトンネルの入り口同士を覆う「シェルター」と呼ばれる、トンネルとトンネルの間を覆う巨大なカバーのようなものです。



通常はトンネルで山を抜けると、またすぐトンネルだとしても一瞬の「明かり区間」が存在します。しかし、上越新幹線の旧上越国境付近のトンネルでは、トンネルとトンネルの間が短いときに入り口同士を「シェルター」で覆い、1つのトンネルのようにしてしまうことで、線路に雪が積もってしまうことを物理的に防いでいます。しかしカバーといってもコンクリートで隙間なく覆いつくしているわけではないため、車窓を注意深く見ていると、一瞬薄明かりが見えます。これが「シェルター」を通過しているという目印ですが、この「シェルター」がもたらす恩恵はかなり大きいのです。



旧上越国境付近は冬季になると毎日のように大雪が降るため、この区間の新幹線の線路はトンネルを通っていることが多いです。しかし駅と駅の間を1つのトンネルだけで結ぶことはいくらなんでも不可能です。よって必然的にトンネルとトンネルの間には地上に線路がむき出しの区間が存在するのですが、「シェルター」がなければそこに雪が積もり、さらに山の斜面から滑り落ちた雪が加われば、新幹線の運行に何らかの悪影響が生じます。それが毎日続けば、新幹線を作った意味がなくなるだけでなく、東北、北陸といった他の新幹線にまで影響が出る可能性もあります。



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そうした事態の発生を未然に防いでいる「シェルター」の果たしている役割はとても大きく、線路や車両に温水を撒くスプリンクラー同様、上越新幹線になくてはならない存在なのです(ちなみに、写真にある「MAXとき350号」は自由席の混雑率が高いケースが多い模様です。藪から棒で恐縮ですが、今回写真が確保できなかったため、全く関係ない写真でお茶を濁させていただきます…。)



「シェルター」も十分特異な要素ですが、この付近にはもう一つ、他の新幹線には見られない「イレギュラー」が存在します。それは高崎〜上毛高原間にある中山トンネルで若干減速するという形で突如現れるのですが、もちろんこのようなトンネル内に停車駅が存在しているわけではありません。このトンネルに存在する160km/h制限の急カーブが列車に減速を強いているのです。



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実は新幹線といえども、常時200km/h以上で走り続けられるわけではありません。以前お話しした東北新幹線東京〜大宮間のほか、東海道新幹線熱海駅や山陽新幹線徳山駅など、駅を設けるためにわざと急カーブを設けた箇所もございますが、ここはトンネル内であり、沿線に線路の敷設の妨げとなる市街地が存在しているわけではございません。それ故、「常識的に考えれば」、そのような配慮が必要だとは到底思えません。一体何故でしょうか。その答えは…次回に続きます。



補足ですが、上の写真はその一例である山陽新幹線新神戸駅です。ここは先の2駅に比べると緩いカーブですが、通過制限速度は230km/hと、300km/hで走行可能な山陽新幹線内ではやや大きな制限でした。なお2016年7月現在は全営業列車が停車するため、この速度制限は全く支障になりません。


今回はここまでです。次回もよろしくお願い致します。

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