2016年10月28日

初めての北陸旅行記 その14

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北陸旅行のお話をしていきたいと思います。



前回はやたらと鉄道の知識ばかりに集中してしまい失礼いたしました。今回はもう少し趣向の違うお話も交えてまいりたいと存じます。


犀潟(さいがた)駅を発車した直後、列車は車体を左右に揺らしつつ、いよいよほくほく線に入線してまいります。ですが早速、ほくほく線のハイライトの一つが待ち受けております。それは高架線に上がる際に聞くことができる加速音という、人によっては気にも留めないような些末なことではありますが、ほくほく線で聞けるものはその高揚感が全く異なります。信越本線内ではまだ最高速度の110km/hを出すことは出来なかったHK100型が、ほくほく線に入ることでようやく全力疾走を許されるのです。ご乗車いただいて体験していただくことが一番ではございますが、インターネット上にはほくほく線の前面展望動画も多数存在しております。このような媒体を介しまして、少しでも多くの皆様にこの「本気の加速」を、ひいては「ほくほく線自体の魅力」をも知っていただければと存じます。


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さて、発車後に十分加速したHK100型は、全力で広大な頚城平野(くびきへいや)を疾走します。この区間に乗車いたしました当時の車窓については次回お示しいたしますが、まずは季節を変え、後日撮影いたしました夏季の写真からご覧いただきます。



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ご覧の通り、犀潟〜くびき間では上のような一面の水田が広がっております。これは冒頭の加速音のような「人を選ぶ見どころ」ではなく、満場一致でご納得いただけるほくほく線の名所の一つでございます。私はこの旅行以降もほくほく線に乗車いたしておりますが、何度見ても心を洗われるような美しさを誇っております。新潟に数ある美の中でも、まさしく指折りの景色でございます故、信越本線でご覧いただける広大な日本海と共に、是非皆様にお楽しみいただきたく存じます。



あるいは頚城平野の山側の端に位置する次のくびき駅で下車していただき、一面の稲田の中をご自身で歩いていただくというのもまた一興ではないでしょうか。犀潟駅付近でオーバークロスする北陸自動車道の喧騒も、ある程度離れたくびき駅付近まで及ぶことはございません。さすがに炎天下に歩いていただくことはお勧めできませんので、9月後半の収穫直前期、または下の写真を撮影いたしました6月頃など、時期をずらしてご訪問いただくことをお勧めいたします。私もまだ運行されていたときにこの地に降り立ち、新緑の大海原を心地よく駆け抜けていく「はくたか」を撮影したかったものですが、残念ながらそれが叶うことはございませんでした。もし万が一復刻運転がなされる場合はなんとしても駆けつけ、その雄姿を目に焼き付けたいものでございます…。


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今回はここまでです。次回もよろしくお願いいたします。

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2016年10月21日

初めての北陸旅行記 その13

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北陸旅行のお話をしていきたいと思います。


またまた間隔が空いてしまい申し訳ございません。皆様をお待たせしてしまった分、記事の内容で取り返すことができるよう、精一杯書かせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。


前回は直江津駅で撮影した写真をいくつか取り上げ、垣間見える背景やドラマを探ってまいりましたが、今回からは北越急行ほくほく線に乗り換え、十日町駅に向かう際の様子をお話しいたします。


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まずこの上の車両が、ほくほく線の普通列車で活躍するHK100型です。1両編成でも運行可能な電車ですが、この車両の性能は驚くべきものです。もちろん、高いスペックはそれを必要とする状況があってこそ生まれたのでありますが、その内容を書き表すと以下のようになります。



2015年3月のダイヤ改正までは、全線が単線であるほくほく線内を「はくたか」が1時間に1本の割合、計26本が毎日行き交っていたため、ほくほく線の普通列車はとにかく行き違いが可能な駅などに退避し、「はくたか」を先行させてやり過ごす、ということを繰り返さなくてはなりませんでした(下の写真はイメージです)。



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「はくたか」は当時北越急行の収入の9割近くを生み出す言わば「金のなる木」であり、実際に開業する前の段階でも、そこまで沿線人口の多くないほくほく線が末永く生き残るためには「はくたか」の成功が必要不可欠であることは火を見るよりも明らかでした。そのため、スペックの低い電車を使った普通列車が特急列車の運行に影響を及ぼすことは絶対に避けなければなりませんでした。



このような状況を鑑み、HK100型は地方ローカル線用電車としては破格の性能を身に着けることとなります。最高速度は110km/h、加減速性能は「はくたか」に使われる特急型車両よりも高いものとしました。これにより「はくたか」の高速走行を極力妨げない速度と、速やかに退避駅に逃げ切り、また発車してすぐに追い上げられることのない素早さを手に入れました。どちらの装備も地方ローカル線では異例中の異例であり、いかに北越急行が力を入れていたかよくわかります。



さて、旅に話を戻しまして、直江津駅を発車した列車は次の黒井駅を通過し、100km/h近い高速で信越本線を疾走します。やがて減速し、分岐器を渡れば最初の停車駅である犀潟(さいがた)駅です。ここからほくほく線へと分岐していくわけですが、「はくたか」は駅の手前で分岐器を渡る普通列車とは違い、一旦駅を通過してからほくほく線への分岐の直前で分岐器を渡ります(下の写真は犀潟駅に停車するHK100型ですが、夜間に撮影したため大変お見苦しい写真となっております…)。



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一見するとこのような差異をつけることにあまり意味はなさそうに見えますが、手前の分岐器は停車列車のみが使用することを前提として作られているため、制限速度が45km/hと低く設定されています。これに対して後者の分岐器は「はくたか」をはじめとする通過列車が必要以上に速度を落とさずにほくほく線へ入っていくことができるよう、制限速度は60km/hとやや高めに設定されています。これはもう一方の分岐駅である六日町駅でも、ほくほく線専用ホームへの分岐器の制限速度が35km/hであるのに対し、上越線ホーム3番線を通過した後に存在する通過列車用の分岐器の制限速度は60km/hと、同様の措置が見られます。



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上の図が犀潟駅の構内配線図です。矢印で示したように、通過列車の経路は全て、45km/hという大きな減速が必要な2番線を通過しないものとなっています。逆に、2番線を停車列車の大多数が使用することで、ほくほく線の列車同士で行き違いを行ったり、1番線や3番線で信越本線の列車に接続させたりすることができます。実際に、運用の都合上ほくほく線普通列車が犀潟駅で折り返しとなる場合に直江津方面への信越本線普通列車が10分ほどで接続するケースが多く見られます。一見まどろっこしい配線ですが、その背景にはきちんとした理由があるということがお分かりいただけたことと思います。



今回はここまでです。次回もよろしくお願いいたします。


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posted by yg at 21:17 | Comment(0) | 日記