2017年05月31日

初めての北陸旅行記 その28

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北陸旅行のお話をしていきたいと思います。


前回は富山駅から「はくたか21号」に乗車いたしました。今回も少々寄り道をしながら道中の様子をお伝えしてまいります。


泊駅を通過し新潟県に入ってくると次第に車窓が暗くなり、またトンネルが連続するためやや車窓が冗長的になります。いくら「はくたか」の走りを堪能しているとはいえ、さすがに車窓がずっと暗いままでは楽しみが半減してしまいます。今思えばそんな単調な時間さえ貴重だったはずですが、幸福の最中にいると残念ながらその有難みを噛み締め続けることが出来なくなってしまうようです。



いつしか直江津駅到着放送が車内に流れ、列車はしばしその足を止めます。直江津駅でも再び絶好のシャッターチャンスに恵まれましたが、またもや事前の情報不足で獲物を逃がしてしまいました。その被写体とは先に富山駅を発車していた「トワイライトエクスプレス」でございます。やはり130km/hで疾走できる「はくたか」と、現在となっては旧式であるEF81型電気機関車が牽引する「トワイライトエクスプレス」では足の速さが全く異なるようです。しかし「トワイライトエクスプレス」は幸いにも移動手段ではなく車内での時間を純粋に楽しむための列車でございます故、後続の列車にどれだけ追い抜かれようとも乗客が困ることはございませんでした。



現在では「ブルートレイン」をはじめとした客車夜行列車がほぼ全滅してしまい、折角の旅情が全く味わえない時代になってしまいましたが、晩年の客車夜行列車は足の速い昼行特急に追い抜かれてばかりだったそうです。例えば日豊本線の「富士」が晩年には「ソニック」に追い抜かれた他、DD51型ディーゼル機関車の重連運転で名高いあの「北斗星」でさえも「スーパー北斗」の俊足にはかなわず、途中駅で退避を余儀なくされました。


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「北斗星」はどちらかといえば「トワイライトエクスプレス」と同じ系統に分類される列車でしたが、一部の車両には上にあるような開放型の寝台車も設けられておりました。このような設備で移動しているといささか贅沢気分が削がれてしまうような気も致しますが、「北斗星」は東北地方の主要都市である福島や仙台と北海道の諸都市を結ぶ移動手段としても根強い人気を誇っていたため、これはこれで根拠のある措置であったということでございます。途中に津軽海峡を挟むため、この区間には夜行バスが存在しないのも要因の一つでしょうか(下の写真は前回も紹介した「スーパー北斗」)。


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前述の「富士」などはどう考えても「ソニック」の俊足に押し負けてしまった故の措置としか解釈できないため、まるでお荷物扱いされているようで悲壮感しか感じないのは私だけではないはずです。しかし、たとえどんなに足の速い交通機関が登場したとしても、客車夜行列車にしかない旅情までそのまま再現することは出来ません。それは上位互換である北陸新幹線に取って代わられた「はくたか」や「北越」にも言えることです。日本の鉄道に脈々と受け継がれてきた「乗ることでしか味わえない楽しみ」が少しでも長く生きながらえることを願うばかりでございます。


今回はお話が少し短くなってしまったので、おまけとしていくつか写真をご紹介いたします。


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少々小さいですが、まずは先日コメントでもお示しいたしました「食パン電車」こと419系の写真でございます。こちらは現在でも富山県の氷見(ひみ)線沿線に所在する工場に保存されておりますので、もし機会がございましたら、始発駅の高岡駅から進行方向右側の車窓にご注目ください。


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この氷見線の車窓は変化に富み、工業地帯から富山湾を望む海岸線まで抜ける30分間で退屈することはまずないかと思われます。また当地ではレンタサイクルで海岸線を走り抜けることもできますので、北陸旅行の際は是非お立ち寄りください。


今回はここまでです。次回もよろしくお願いいたします。

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posted by yg at 00:59 | Comment(2) | 日記

2017年05月23日

初めての北陸旅行記 その27

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北陸旅行のお話をしていきたいと思います。


前回までは富山駅の昔と今をご紹介してまいりました。今回はいよいよ終章の開幕、「はくたか21号」に乗車いたします。


富山駅で行っていた撮影、その最後の目玉である「トワイライトエクスプレス」をカメラに収めた私は、富山駅6番のりばにて帰りの「はくたか」を待ちます。この列車に乗車し、終点の越後湯沢駅で上越新幹線に乗り換えてしまえば、ついにこの旅行も終幕を迎えることとなります。


この「はくたか21号」は七尾線の和倉温泉駅を始発駅とし、金沢以東の途中停車駅は高岡、富山、直江津のみという、「はくたか」の前身である特急「かがやき」を彷彿とさせる停車駅の少なさを誇っておりました。実際はほくほく線の虫川大杉(むしがわおおすぎ)駅で対向の「はくたか」と行き違いを行うため、ずっと走りっぱなしというわけではないのですが、それでもこのような停車駅の少ない列車は個人的にロマンを感じます。



現在では

北陸本線の「サンダーバード」(大阪・新大阪・京都・福井・金沢)
中央本線の「スーパーあずさ」(新宿・八王子・甲府・茅野(ちの)・上諏訪(かみすわ)・松本)
日豊本線の「ソニック」(博多・折尾(おりお)・黒崎・小倉・行橋(ゆくはし)・中津・別府・大分)

などがそれに当たるでしょうか。他にも昔の時刻表を探っていくと、

スーパー北斗」(札幌・東室蘭・函館、1994年)
リレーつばめ」(博多・鳥栖・久留米・大牟田・熊本・新八代(しんやつしろ)、2004年)

は速い部類に入るでしょう(写真は上から「サンダーバード」、「スーパーあずさ」、「ソニック」)。


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時刻表を読んで何が楽しいのかと問われることも多いのですが、このように自身が体験できなかった列車を時刻表の上でたどっていけば、いくらでも新しい発見が得られるので興味は尽きません。皆様ももし昔の時刻表がお手元にございましたら、ひもといて当時を振り返ってみるのもまた一興かもしれません。


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しばらく待つと「はくたか21号」が入線してまいりました。編成は往路に乗車した編成とは違い北越急行所属の681系2000番台「SRE」9両編成でございます。最後に純粋な北越急行の681系編成に乗車することが出来た喜びに、私は乗車前から気分が高揚しておりました。私は681系(上)と683系(下)、どちらの先頭車も気に入っておりますが、その中でも特に681系の北越急行色が一番素晴らしいと感じています。上越線やほくほく線で見られる銀世界、糸魚川周辺で見られる日本海、富山県内で見られる立山連峰、どれを取り合わせてもこの色には似合います。現在では見られなくなってしまったことが非常に残念でなりません。


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ドアが開くと早速乗り込み、山側の席を陣取ります。旅行当日は受験シーズンだったせいか、学生服を着用した乗客が車内に散見されました。遅れがなければ20時台に東京駅に到着できる便であったため、日帰り受験には好適であったことも理由の一つでしょうか。


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あまり日の長い時期ではございませんでしたが、それでも30分程は車窓に立山連峰を望むことが出来ました。以前も同じようなことを申したかもしれませんが、旧北陸本線で私が最も気に入っている車窓はこの富山〜泊間のものです。しかし気に入っているのは立山連峰だけではございません。この区間には日本の米食文化を支える稲田が断続的に見られ、さらには中心地である富山駅から平野部の終端である泊駅までの45分間(各駅停車)で移り変わる街並みの変化も興味深いものです。言うなれば市街地から郊外へ、徐々に「終着駅」に近づいていく感覚と表現できますでしょうか。個人の趣向の違いはございますが、車両が特急型から近郊型に変わったとしてもその美しさが衰えることはございません。是非皆様にもこの区間を各駅停車で味わっていただきたく存じます。


今回は終始鉄道のお話ばかりで申し訳ございません。次回も引き続き「はくたか」の道中をご案内いたします。


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posted by yg at 15:27 | Comment(2) | 日記

2017年05月15日

初めての北陸旅行記 その26

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北陸旅行のお話をしていきたいと思います。


今回は前回も申し上げた通り、現在の富山駅の魅力をご紹介いたします。



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現在の富山駅は新幹線開業を契機とした高架化改修工事の真っただ中であり、私が当時撮影を行った在来線ホームはちょうど真二つに分かれ、旧1〜3番のりばのあったホームは絶賛工事中でございます。


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そして工事が行われている部分の代替ホームは既に高架化が完了しております。この在来線ホームは金沢駅などとは違い、新幹線ホームと線路と並べたかのような開放的なつくりとなっております。それ故新幹線ホームの放送も在来線ホームからよく聞こえ、その逆もまた然りでございます。



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さて富山駅の改札を抜け駅ビルへと向かいますと、こちらも高架化によって一新された「きときと市場とやマルシェ」の広い売り場が目に飛び込んでまいります。土産物屋やレストランが立ち並ぶ敷地内ではメインユーザーと見受けられる新幹線利用者が出発直前まで富山の味や名産を堪能できるまさに渡りに船な施設といえるとではないでしょうか。今回はその中でも私が個人的に気に入っております店舗様を紹介させていただきます。



まずは「大喜」様でございます。これはかの有名な「富山ブラック」の元祖と伝えられ、この「とやマルシェ」以外にも富山市内に複数店舗を構えていらっしゃるとのことです。起源の食べ方が肉体労働者向けの塩分補給を目的とし、白米に対する「おかず」として供されたとのことで、メニューには併せて注文できるよう比較的目立ちやすい位置に「ライス」との記載がございます。


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私もこの「大喜」様には何度もお世話になっており、毎度「富山ブラック」と白飯を注文させていただいております。この黒いスープの印象に違わない塩辛い味、そして太い麺とネギの歯ごたえという刺激的な絵の具が白飯のキャンパスに力強い絵画を描き上げる様を堪能させていただくのは最早私の北陸旅行の定番です。写真にはございませんが、カウンター席には敢えて気取ったペーパーナプキンではなく使いやすいボックスティッシュを置いていらっしゃるのも「富山ブラック」が庶民の隣に寄り添って歩んできたことの証左のようにさえ感じられます(この店舗様の独断の配慮かもしれませんが…)。



このように富山の食文化の一つとして圧倒的な存在感を誇る「富山ブラック」、この「とやマルシェ」にとどまらず市内に繰り出して食べ比べというのも良いかもしれません。



「とやマルシェ」で堪能できる富山の味は「富山ブラック」だけではございません。ますのすしも同様に、いえ充実度であれば突き抜けている感すらございます。その充実度を支えるのは「富乃恵」様という、ちょうど「大喜」様の斜め向かいに居を構えるますのすし専門店です。ここではなんと県内のますのすし製造業者様から仕入れを行い、「鱒のレア度」「酢飯の酸味」「酢飯の押し具合」という3つの指標において格付けを行い、私たち購入者は半ばソムリエにでもなった気分で自分の気に入った業者様のますのすしを購入することが出来ます。


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「富乃恵」様の格付けの素晴らしいところは基準の定め方にございます。通常このような視覚化(数値化)を行えば少なからず優劣を定めることとなってしまい、仕入れ先の業者様に角を立ててしまいます。これは微妙な風味の違いを扱うこのような店舗様にとっては致命的ともいえる事態でございますが、「富乃恵」様の基準は数値の低さがそのまま風味の個人的嗜好として購買意欲を煽る「個性」となります。これは優劣ではなく個性を表現する素晴らしい取り組みであると私はお見受けしました。


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このような業態では半ば当たり前なのかもしれませんが、私のように学生として勉学に励む身分の者にとっては大変参考になります。そして扱っていらっしゃるますのすし自体も美味で個性に富み、毎回違う味を堪能する楽しさは格別でございます。残念ながら写真撮影の許可は頂けませんでしたが、ショーケースにますのすしの見本を並べた店舗様はすぐに見つけていただけるはずです。こちらも是非お立ち寄りくださいませ。



このように富山駅の新たな魅力を書き連ねてまいりましたが、もちろんこれだけにとどまるものではございません。ご訪問の際はお時間を取って実際に歩き回っていただき、貴方様だけの魅力も見出していただければと存じます。



次回はいよいよ「はくたか」に乗車し、この旅行の最後の旅路へと歩みを進めてまいります。次回もよろしくお願いいたします。


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posted by yg at 15:00 | Comment(2) | 日記