2017年12月01日

道央旅行記 その5

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北海道旅行のお話を致します。

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前回取り上げた石狩月形駅を発車した札沼線の単行列車はここからいよいよ真の閑散区間へと進んでまいります。車窓に広がるのは変わらず広大な農地や並行する国道ばかりですが、ここから先ほぼ満席の車内の空気がほとんど入れ替わらなくなりました。つまり下車するために腰を上げる乗客がほぼ皆無ということであり、改めてこの路線が日常の移動手段として認識されていないことを思い知る結果となりました。

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この浦臼(うらうす)駅は分岐する線路もない所謂「棒線駅」ですが、そんな乏しい施設でも起終点とする列車が存在しています。一般的に列車の起終点となるためには最低でも2本の線路が存在していなければ折り返しの準備時間に接近してきた列車を停車させることができません。1本の線路しか存在しない駅で長時間停車するということは道路で例えるなら一方通行の細い道に駐車するようなものです。この列車の終点・新十津川駅のように線路の果てが車止めで封鎖されているなら話は別ですが、途中駅でこのような運用がこなせるという事実もまたそれだけ列車本数が少ないことを象徴しているといえます。

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車窓に流れるもの、車内の雰囲気、どれをとっても悲しい現実しか反映してくれませんが、この路線の行く末に思いを馳せやや悲観的な私の感情とは裏腹に列車はほぼ直線に延びた線路を規則正しいジョイント音と共に踏みしめていきます。そして石狩月形駅から50分弱程走った先にこの列車の終着駅である新十津川駅が見え、札幌駅を出てから2時間半にわたる札沼線の旅は終わりを告げました。

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列車が到着するや否やしきりにシャッターを切る「同業者たち」。しかしこの場を支配していたのは鉄道ファンだけではありませんでした。近隣の幼稚園生と見受けられる子供たちが我々旅人を出迎えてくれたのです。もちろんそうした歓迎は予期しておりませんでしたが、本数の上では最早見捨てられたも同然の小駅が一瞬とはいえ大勢の人間で賑わう姿に、ほんの一筋だけですがこの路線の未来に光明を見た気がしました。まだこの路線は朽ち果ててはいない…こうして行く末を案じ行動に移す人々が存在し続ける限り、列車は何度でも彼らの前に姿を現すことだろう…。ならばその火が消えないうちに再度の訪問を果たしたい、そう心に誓って私は駅を去りました。

今回はここまでです。次回もよろしくお願いいたします。


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posted by yg at 03:14 | Comment(0) | 日記