前回は最後に東京駅9時台の時刻表を例として、新幹線の号数振り分けに関する不規則性を取り上げました。今回はその答え合わせから始めたいと思います。
まずはもう一度東京駅9時台の時刻表をお示しします。今度は行き先も含めて表示してみます。
9:00 のぞみ213号 新大阪行き
9:03 ひかり505号 岡山行き
9:09 のぞみ19号 博多行き
9:18 のぞみ307号 新大阪行き
9:21 のぞみ215号 新大阪行き
9:24 のぞみ309号 新大阪行き
9:27 こだま713号 名古屋行き
9:30 のぞみ21号 博多行き
9:33 ひかり637号 新大阪行き
9:42 のぞみ217号 新大阪行き
9:48 のぞみ313号 新大阪行き
9:51 のぞみ85号 広島行き
9:57 こだま715号 新大阪行き
やはり何度見ても号数の振り分けや行き先が不規則です。しかし決して適当に割り振っているわけではありません。実は新幹線の号数は「種別」「方向」「行き先」の3つの要素から成り立っているのです。
まず「種別」。これは簡単です。東海道新幹線では現在「のぞみ」「ひかり」「こだま」の3種別が用いられていますので、それぞれに振り分ける番号を分けています。
次に「方向」。これも単純です。お気づきかもしれませんが、先に挙げた時刻表の号数は全て奇数が並んでいます。一つたりとも偶数は存在していません。
これはJRの列車号数振り分けが伝統的に「東京方面を上り列車とし、その上り列車の号数は全て偶数とする」と定める慣例が理由です。東京駅から発車していく列車は当然下り列車しかありませんので、必然的に全ての列車の号数が奇数で割り振られることとなります。
最後に「行き先」。これが複雑です。平たく表現すると主に始発駅から終着駅までの区間別になっております。例えば上の時刻表にある「のぞみ19号」「のぞみ21号」は東京〜博多間を走破するのぞみ号という重要度の高い列車になりますので、最も数字の若い1号から順に割り振られています。一方で「こだま713号」「こだま715号」は各駅に停まる区間列車ですので、701号から始まる数字の大きな番号が割り当てられています。
最後の項目をまとめると、新幹線では行き先や区間に応じて数字のグループが割り振られているため、同じ属性を持った列車は1号、3号、5号…というようにその数字のグループで最も小さい数字から順に号数が振られていく、ということになります。
ちなみに定期便と臨時便は同じ区間を走る列車でも号数が分かれているため、慣れてくると号数を見ただけで臨時便かどうかを見分けることができます。頻繁に新幹線を利用するという方は見分け方を知っておくと良いかもしれません。
今回はここまでです。次回もよろしくお願いいたします。
【柳井グランドホテルのホームページへ】