前回ご紹介した通り、E4系は全車2階建てという特殊な車両です。ですが車内設備まで同一というわけではありません。8両編成の車内には様々な設備が存在しています。
まずは2階の自由席。ここが最も特徴的です。2階建てと聞くと誰もが眺めの良い2階席を選びたくなるものですが、通路を挟んで3人掛けを2つ並べることで、各車両の中で最大の定員数を確保しています。現在3人掛けが2つ並んでいるのは全新幹線の中でE4系のみです。新幹線としての建築限界を最大限活かしたE4系ならではの設備といえますが、座席数と引き換えにひじ掛けやリクライニング機能を省略しているため長時間の乗車には不向きです。しかし大量輸送を目的としたE4系を象徴した座席でもありますので、引退前に運行距離の短い「Maxたにがわ」号でこの座席を体験する、という楽しみ方がおすすめです。
次に1階の自由席。こちらは他の新幹線と同じく、通路を挟んで2人掛けと3人掛けの座席が並んでいます。1階部分は目線がホームと同じ高さになるなど眺望に劣るため、2階よりもゆったりとした座席を用意することで差を付けているようです。慣れている人は車内でゆっくり休むために最初からこの1階席を選ぶこともあり、鉄道好きに限らず新幹線利用に慣れた玄人向けの座席といえるかもしれません。

指定席として使用される座席は1階・2階ともに通路を挟んで2人掛けと3人掛けが並んでいます。眺望以外に目立った違いもありませんが、E4系の設備で唯一「1階建て」の座席(上写真)に座ることができるのが指定席の特徴です。これは階段のあるデッキから車両端までのわずかな空間に数列だけ設けられた座席のことで、「平屋席」と呼ばれることが多いようです。ここはE4系に乗り慣れたヘビーユーザーが指名買いする特別な座席。きっぷにも「1階FL」という他には見られない表示がされます。もし興味がある方はE4系乗車の際に平屋席を指定してみてはいかがでしょうか。
今回はここまでです。次回もよろしくお願いいたします。
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