東白石(ひがししろいし)駅で485系回送列車を撮影し、すぐさま仙台方面の普通列車で追跡します。乗ったり降りたり撮影したりで忙しないですが、実行している私はとても充実しておりました。好きなものは人それぞれですが、それを追い求める時間はこれ以上ない夢のひと時なのです。今風に言うと「推し活」というやつです。
(上写真は2015年撮影)
生き方や価値観がどんどん多様化していくこの令和の時代、好きなこと(趣味)に全力投球する人がどんどん増えてきているのを感じます。そうした人たちはこれからこの趣味の世界に入ってくる初心者に全力で薦めたいほど好きなんだ、という意味で好きなモノを「推し」と呼び、推しについて自分なりに究めていく活動を「推し活」と呼びます。
私は柳井グランドホテルを継ぐ立場ですので推し活だけに没頭する人生を選ぶことはできませんが、推し活に取り組んでいる間の熱意は誰にも負けないという自負があります。
(上写真は2015年撮影)
485系は小学生以来私がずっと「推してきた」車両です。しかしここ柳井市には485系が走る路線がなく、ビデオやDVDで追いかけるだけの存在でした。
あれから十余年。「大きくなったらいっぱい乗ろう」というよくある子供の頃の夢、乗車は限られましたが撮影は多くの機会に恵まれました。されどもこれが最後の機会。追えるチャンスがあるのに追わないのは一生後悔する予感がありました。
東北本線を北上していると、途中の大河原(おおがわら)駅で推しの姿を視界に捉えました。どうやら時間調整のために停車したようです。追いかける人影も少なくなりましたのでじっくりと撮影することができます。私は普通列車から下車するとすぐにカメラを構えました。
思いつく限り様々な角度から485系を撮影します。昼間とは違いやや薄暗くなってきたこの時間の485系もまた良いものです。特に「あいづライナー」のヘッドマークが薄暮によく映えます。
この束の間の撮影会は今日一日、いや小学生の頃から執念深く追いかけ続けてきた私へのご褒美でしょうか。
おそらく違いますが、そう思えるほど充実したひと時を過ごすことができました。
しかしまだ終わりません。この先の駅でも通過を撮影します。「推し活」は徹底的にやりきらねば不作法というもの。最後まで全力で追いかけます。
今回はここまでです。次回もよろしくお願いいたします。
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