大河原(おおがわら)駅で時間調整を行った485系を発見し、時間が許す限り思いのままにカメラを向けていました。翌日のラストラン列車運行中も含め、ここまでじっくりと撮影できるチャンスはもうありません。撮影中、ここでゆっくりと対峙させてもらえた喜びを何度も嚙み締めていました。
またもや東北本線の普通列車で仙台方面へと向かいます。この日最後の通過シーンは趣向を変えて、仙台近郊の高架区間にある駅で狙いました。
下車したのは太子堂(たいしどう)駅。仙台駅から2駅ほど福島寄りです。この駅は既に仙台都市圏の一部ということで、いかにも都会の駅といった風貌です。
なぜか駅ホームで写真を1枚も撮影しなかったので、いきなり動画です。写真の代わりに仙台地区の普通列車を2連発でご紹介します。
緑色の電車は701系電車、青色の電車は仙台空港鉄道のSAT721系電車です。
701系は仙台地区のみならず、東北地方の至る所で見られる通勤電車です。JR移行後の1990年代に登場しましたが、当時は客車列車が当たり前で、乗降に時間がかかり加減速も緩慢でした。そんな非効率的な東北の普通列車事情を見事に改善してみせたのがこの701系です。

登場から20年以上経ち、すっかり当たり前の存在として定着しました。それ故にファンからの熱視線を集めることは少ないですが、私は701系の爆音モーターが好きなので、東北に行った際は好んで乗車しています。
青い電車SAT721系は、JR東日本が製作したE721系電車のカラーバリエーションのようなものです。仙台空港駅まで乗り入れる仙台空港線は、JRではなく仙台空港鉄道という別会社が運営しています。しかし仙台空港鉄道はJRと直通運転を行っているため、SAT721系は当たり前のように東北本線の駅で見かけることができます。
E721系電車は、701系と同じように旧型車の置き換えを目的に導入された電車です。701系が客車列車を置き換えたのに対し、E721系は普通列車に格下げ使用されてきた急行型電車を置き換えました。
(上写真は北陸地域で見られた急行型電車)
JR移行後、かつての大衆旅行を支えた急行列車は次々と特急列車へ格上げされ、急行用の電車は行き場を失っていました。ひとまず使えるうちは普通列車に転用しようという動きが全国で見られましたが、通勤電車とは違い全員着席を前提とした乗車スタイルのため、乗降に時間がかかり遅れの原因となっていました。
そこで登場したのがE721系(上写真)です。701系よりも幅広な車体と汎用性の高さが売りで、登場後急速に旧型車を置き換えていきました。現在では本旅行記その2にも登場した槻木(つきのき)駅から分岐する阿武隈急行や、岩手・青森の東北本線が第三セクターへ移管されたIGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道でも見ることができます。
普通列車についてのお話でかなり長くなってしまいました。
次回で1日目のお話は終わりにする予定です。
次回もよろしくお願いいたします。
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