2018年02月07日

道央旅行記 その7

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北海道旅行のお話を致します。

前回は臨時特急の「フラノラベンダーエクスプレス」に乗車した際の模様と、その車内で購入できる物品の数々をご紹介しました。今回は列車を降り、富良野駅から先の模様をお伝えします。

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富良野駅はこれまで経由してきた根室本線と旭川方面から合流してきた富良野線の結節点でもあるため、やはりある程度の敷地の広さがあります。富良野線に乗り換えれば道央観光のもう一つの名所である美瑛(びえい)に向かうこともできましたが、今回はそのまま根室本線の普通列車に乗り継ぎ、道東方面への玄関口である新得駅を目指します。

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旅行を実施したのが6月ということもあり、沿線には目に刺さるほど鮮やかな緑が広がっていました。しかし先程の札沼線とは違い山間部を目指していく路線ですので、平野部分が延々と続く広大な大地とは情景が全く異なります。言うなれば厳寒期に容赦なく牙を剥く北海道の自然の厳しさの象徴…新得駅直前に待ち受ける狩勝峠へのアプローチたるこの一帯はそう表現出来るのかもしれません。

ですが夏場の単行気動車が運ぶ空気は実に牧歌的です。駅に到着しても乗降があまりないことを除けば平和そのもの。ボックスシートに揺られる私を乗せて列車は終着駅へと向かっていきます。

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ところでこの列車自体の終着駅は新得駅ではございません。列車側面の行先表示にも記されていましたが、この列車の終点は途中の東鹿越(ひがししかごえ)駅です。しかしこの駅は純粋な無人駅ですのでもちろん接続路線などなく、Wikipediaの記述によれば1日の平均利用者数は1人以下とのことです。何故この駅が終着駅となっているのでしょうか。

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その答えは平成28年に当地に甚大な被害をもたらした台風10号にあります。当時台風による大雨で橋脚が流され路盤が崩壊した東鹿越〜新得間は、その採算性が疑問視されていたこともあり、現在はバスによる代行輸送を余儀なくされています。そして私が乗ってきた列車も代行バスに連絡するということで、便宜上無人駅である東鹿越駅を終着駅としているということです。

さらにこの東鹿越駅は台風による被害で不通となる直前の7月にはJR北海道により廃止される方針も発表されており、台風の影響で暫定的な終着駅として今現在も列車が発着する光景には数奇な運命を感じずにはいられません。また今も東鹿越〜新得間の復旧のめどは立っておらず、東鹿越駅のみならずこの区間全体がそのまま廃線もありえる状況なだけに、先の札沼線と同様お早目に乗車・記録をお薦めしたい路線の一つでございます。

今回はここまでです。次回もよろしくお願いいたします。


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2018年01月04日

道央旅行記 その6

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北海道旅行のお話を致します。

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新十津川駅で熱烈な歓迎を受けた私は徒歩で新十津川町役場へと向かいます。何故役場なのかと申しますと、実はここからちょうどいい接続時間で函館本線の滝川駅に向かうバスが出ているのです。

基本的に考えることは皆同じのようで、折り返し便の列車に乗車しなかった方はほぼ全員このバスに乗車すべく移動してきたようでした。しかし乗ってしまえば距離は短く、ものの10分で滝川駅に到着しました。

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滝川駅からは当駅が起点である根室本線に乗車します。「根室」と冠しておきながら起点が道央の滝川というのはなかなか面白いですが、ここからは別途特急券を購入して臨時列車に乗車します。

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これが今回乗車する臨時特急「フラノラベンダーエクスプレス」号。車両は主に団体臨時列車などで使用される特別なものを用い、編成の中程に連結するラウンジカーでは車内販売を実施するまさに行楽列車を絵に描いたような列車です。早速乗車しますと車内はハイデッカー構造となっており、大きな窓から眺める景色は迫力があります。また座席も座り心地が良い大型のものが採用されており、1時間弱の乗車時間が極めて短く感じられる素晴らしい車両でした。

折角乗車したのだからと私はラウンジカーの車内販売ブースへと足を運びました。見渡せば飲料や菓子、土産物などが整然と立ち並びますが、中には私のような旅人が真っ先に目を付けるであろう限定品の数々も存在していました。

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まずはこちらの夕張メロンソーダ(写真左側)。目的地が富良野なのに夕張メロンとはこれ如何に、といった具合ですが、市販のメロンソーダとは違い味の複雑な階層を感じる上品な味わいでした。ただお値段が少々張りますので乗車記念に一杯、という召し上がり方がよろしいかと存じます。

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もう一つはこのラベンダーアイスクリーム(写真右側)。これは紛うことなき富良野ならではの一品ですが、写真が少々小さくなってしまい分かりづらくなってしまったのが申し訳ないです。しかし味わいは期待を裏切らず、口の中にラベンダーの香りが広がるかのような芳醇さが魅力ですので、先程のメロンソーダと併せて召し上がっていただき、皆様の旅行を楽しく華やかなものにしていただければ幸いです。

今回は少々短いですがここまでに致します。次回もよろしくお願いいたします。



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2017年12月01日

道央旅行記 その5

皆様こんにちは。柳井グランドホテルの松前篤始でございます。今回も前回に引き続き、北海道旅行のお話を致します。

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前回取り上げた石狩月形駅を発車した札沼線の単行列車はここからいよいよ真の閑散区間へと進んでまいります。車窓に広がるのは変わらず広大な農地や並行する国道ばかりですが、ここから先ほぼ満席の車内の空気がほとんど入れ替わらなくなりました。つまり下車するために腰を上げる乗客がほぼ皆無ということであり、改めてこの路線が日常の移動手段として認識されていないことを思い知る結果となりました。

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この浦臼(うらうす)駅は分岐する線路もない所謂「棒線駅」ですが、そんな乏しい施設でも起終点とする列車が存在しています。一般的に列車の起終点となるためには最低でも2本の線路が存在していなければ折り返しの準備時間に接近してきた列車を停車させることができません。1本の線路しか存在しない駅で長時間停車するということは道路で例えるなら一方通行の細い道に駐車するようなものです。この列車の終点・新十津川駅のように線路の果てが車止めで封鎖されているなら話は別ですが、途中駅でこのような運用がこなせるという事実もまたそれだけ列車本数が少ないことを象徴しているといえます。

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車窓に流れるもの、車内の雰囲気、どれをとっても悲しい現実しか反映してくれませんが、この路線の行く末に思いを馳せやや悲観的な私の感情とは裏腹に列車はほぼ直線に延びた線路を規則正しいジョイント音と共に踏みしめていきます。そして石狩月形駅から50分弱程走った先にこの列車の終着駅である新十津川駅が見え、札幌駅を出てから2時間半にわたる札沼線の旅は終わりを告げました。

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列車が到着するや否やしきりにシャッターを切る「同業者たち」。しかしこの場を支配していたのは鉄道ファンだけではありませんでした。近隣の幼稚園生と見受けられる子供たちが我々旅人を出迎えてくれたのです。もちろんそうした歓迎は予期しておりませんでしたが、本数の上では最早見捨てられたも同然の小駅が一瞬とはいえ大勢の人間で賑わう姿に、ほんの一筋だけですがこの路線の未来に光明を見た気がしました。まだこの路線は朽ち果ててはいない…こうして行く末を案じ行動に移す人々が存在し続ける限り、列車は何度でも彼らの前に姿を現すことだろう…。ならばその火が消えないうちに再度の訪問を果たしたい、そう心に誓って私は駅を去りました。

今回はここまでです。次回もよろしくお願いいたします。


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